再発予防のための術後ホルモン療法
#薬物治療ホルモン療法は、女性ホルモン(エストロゲン)の作用を低下させることにより、がん細胞の増殖を抑える治療法です。手術後のホルモン療法は、乳がんの再発や転移を予防するための治療であり、一般には5〜10年間継続して行います。
ホルモン療法剤の種類
主に次の3種類のお薬があります。
●抗エストロゲン剤
毎日内服する錠剤のお薬です。がん細胞の女性ホルモン(エストロゲン)の取り込みを抑える作用があり、閉経前及び閉経後の患者さんに使用されます。
●LH-RHアゴニスト製剤
注射のお薬です。卵巣で女性ホルモン(エストロゲン)がつくられるのを抑える作用があり、閉経前の患者さんのみが対象となります。注射する間隔は製剤により異なりますが、4週に一度、12〜13週に一度、または24週に一度の製剤があります。
●アロマターゼ阻害剤
毎日内服する錠剤のお薬です。体内の細胞で女性ホルモン(エストロゲン)がつくられるのを抑える作用があり、閉経後の患者さんに使用されます。
長期の使用により、関節症状や骨粗しょう症がみられる場合があり、状況によっては骨密度の低下を抑えるお薬を併用することもあります。
関節症状を和らげるための関節体操を紹介していますので、ご参照ください(「関節痛軽減対策(関節体操)」を参照)。
ホルモン療法の副作用の多くは、女性ホルモン(エストロゲン)の抑制によるほてりや更年期様症状です。お薬の服用にあたり、心配なことがあれば何でも医師や看護師に相談しましょう。