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BRCA1/2遺伝子について

HBOCと遺伝の形式

HBOCにみられるBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の病的な変異は、性別を問わず親から子へ2分の1(50%)の確率で受け継がれることが知られています。この遺伝子の病的な変異が男性に伝わった場合は、その男性が乳がんになる確率は低いものの、持っている遺伝子変異は、その男性の子どもに50%の確率で伝わります1)
ただし、BRCA遺伝子に病的な変異があっても、必ず乳がんや卵巣がんになるわけではなく、生涯を通じて乳がんや卵巣がんなどにならない方もいます1)

1) 日本乳癌学会(編):患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016年版, p31-33, 金原出版, 2016

BRCA1/2遺伝子

BRCA1/2遺伝子の遺伝

BRCA遺伝子の遺伝

BRCA遺伝子の働き

BRCA遺伝子は、誰もが持っている遺伝子の1つで、DNAの傷を修復して、細胞ががん化することを抑える働きがあります。
からだの設計図であるDNAは、健康な人でも紫外線や化学物質などの刺激によって日常的に傷つけられています。
しかし、通常の細胞には、BRCA遺伝子などの傷ついたDNAを修復する機能が備わっています。そのため、DNAの傷は修復されて、がん化は抑えられています。このDNAの修復で重要な働きをしているのが、BRCA遺伝子です。
HBOC の方では、BRCA遺伝子の働きが失われているため、DNAの正常な修復が妨げられ、乳がんや卵巣がんになりやすくなると考えられています。

DNA修復の仕組みとBRCA遺伝子

家族性乳がんと遺伝性乳がん

家系内に乳がんの患者さんが複数いる場合、乳がんになりやすい体質を受け継いでいることがあります。これを「家族性乳がん」といいます。親、子、姉妹の中に乳がんの患者さんがいる女性は、いない女性に比べて2倍以上乳がんになりやすいことがわかっています。乳がんになった親族の人数が多い場合は、さらにリスクは高くなります2)
このうち、HBOCのように、遺伝的な要因が原因だとはっきりしているものを「遺伝性乳がん」といいます。

2) 日本乳癌学会(編):患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016年版, p33, 金原出版, 2016

【参考】乳がんと関連がある遺伝子

遺伝性の乳がんがすべてHBOCというわけではありません。乳がんに関連のある遺伝子としては次のようなものが知られています。

遺伝子 乳がんの生涯発生リスク
遺伝子変異による発症リスクが高度である原因遺伝子
(高度易罹患性遺伝子)
BRCA1 40~80%
BRCA2 20~85%
TP53 56~90%
PTEN 25~50%
STK11 32~54%
CDH1 60%
遺伝子変異による発症リスクが中等度である原因遺伝子
(中等度易罹患性遺伝子)
ATM 15~20%
CHEK2 25~37%
PALB2 20~40%
BARD1, BRIP1, MRE11A, NBN, RAD50, RAD51C, XRCC2, RAD51D, ABRAXAS, MLH1, MSH2 遺伝子により異なる

三木義男, 産科と婦人科, 82, p599-604, 2015より一部改変

【参考情報】

BRCA遺伝子の状態を調べる検査については こちらのページをご覧ください。