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Q&A

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ここでは、よくあるご質問とアドバイスをまとめました。
参考資料(→参照)も参考にしながら、ご自分にあった工夫をしてみてください。

Q1  性生活は病気の進行に悪い影響はありませんか?

A そういう心配をよく聞きますが、性生活によって女性ホルモンの分泌が増えたり、そのために病気が進んだりすることはありません。性生活が病気の進行に悪影響を与えることはありません。

Q2  性生活はいつごろから再開してもいいのですか?

A カップルの双方が再開を望む気持ちになったときが、タイミングです。お二人にその気持ちがあれば、手術の直後からでもかまいません。創部がまだ完全に治っていないときには、その部分を直接圧迫したりこすったりしないように気をつけてください。性生活を楽しむには、ある程度の心身のエネルギーが必要ですから、再開を望む時期は個人やカップルによって異なります。カップルのどちらかがまだ準備できていない時期に無理をしても、楽しむことはできないでしょう。
ここでもコミュニケーションが大事です。カップルの双方が沈黙していては、再開のタイミングがいつまでたってもわからないばかりか、思いがけないすれ違いを招きます。
パートナー「今はそっとしておこう。」・・・ご本人「求めてこないのは私に魅力がなくなったから?」
パートナー「愛情表現として求めたい」・・・ご本人「こんなときに、何て思いやりがないの!」
再開前後は、お互いのコミュニケーションがもっとも必要となる時期です。治療によって、性欲や性感がかなり変化することが少なくないので、我慢したり察してもらおうとしたりするのではなく、ご自分の状況をできるだけ相手に伝えてください。コミュニケーションには、カップル双方の努力が必要です。

Q3  性生活を控えたほうがよいときはありますか?

A 化学療法で白血球や血小板などが減少する時期には、感染や出血がおきやすくなります。そのような時期は、一時的に性生活を控えたほうがよいでしょう。

Q4  将来子どもを持ちたいと思っているのですが、可能でしょうか?

A 治療終了後に妊娠・出産をする方もいます。乳がんは女性ホルモンの影響を受けますから、妊娠・出産による悪影響を心配する方もいるでしょう。今までの研究では、治療終了後の妊娠・出産が病気に悪影響を与えたという結果は出ていません。診断から2年程度は妊娠を控えるように助言されることが多いのですが、それはこの期間に再発が多いという理由によります。
もし将来子どもを持つことを考えるなら、治療を選ぶ際、その治療が妊娠・出産に及ぼす影響や、影響をできるだけ減らすための工夫について、医師に質問して説明を受けてください。治療時にまだ閉経前だった場合、治療によって生理がとまっていても急に排卵が戻ることがあるので、コンドームによる避妊が必要です。化学療法終了後に生理が戻る確率は、治療時の年齢や化学療法で用いた抗がん剤の種類・量によって異なります。避妊をやめて妊娠を試みる時期については、主治医によく相談してください。

Q5  治療を受けるようになってから、性交痛が強くてセックスが苦痛です。
何か対処方法はありませんか ?

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A 性交痛の原因の多くは腟の潤いの低下です。治療そのものによって生じたり、 心理的ストレスによって性生活の快感に集中できなくなって起きる場合もあります。 一度苦痛があると、その後の性行為のときに「今度もまた痛いのではないか?」と不安が高まり、 それがさらに性交痛を引き起こすという悪循環に陥ってしまいます。
我慢は禁物です。痛みがあることをパートナーに伝えて、挿入前に十分潤うように前戯を長くしてもらいましょう。 女性側が動きをコントロールしやすい体位(側臥位や女性上位)にするのも効果的です。 水溶性の腟潤滑ゼリーや潤滑ゼリーつきコンドームを用いれば、潤いが補われて痛みがかなり和らぎます。 水溶性ですからシャワーで簡単に洗い流すことができ、 一般薬局・通信販売・メーカーのホームページなどで購入できます(→参考資料参照)。後始末を考えると、医療用のワセリンやベビーオイルなど油性成分がはいったものはおすすめできません。また、性生活の楽しみ方は性交だけではありません。挿入そのものにこだわらず、それ以外の方法も工夫してみましょう。

Q6  パートナーが手術のあとをどう思うか心配です。
見せなくてはいけないのでしょうか ?

A 変化の受け止めかたはカップルによってさまざまです。入院中に一緒に見たという方や、「別に隠さなかったので、夫はお風呂あがりなどに自然に見たのでは?」と振り返る方もいます。一方、特に術後間もない時期には、パートナーの反応が気になったり、性生活のときに下着などで手術のあとを隠したりする方もいます。どうするべきか、きまりはありません。まずはその時点で、ご自分にとって無理のないかたちをとるのが一番です。
もし、以前とは違って下着などをつけるのなら、「今はこうしたほうが楽だから」とパートナーに伝えてください。ここでも、お互いのコミュニケーションがとても大切です。時間とともに、徐々に気にならなくなる方が多いようです。

Q7  パートナーが、手術のあとを見てくれないのですが…

A 「手術のあとをパートナーにきちんと見てほしかったのに、見てくれなかった」という声も聞きます。パートナー側に気持ちの準備ができていなかったのかもしれません。一度で諦めず、時期をあけて、またトライしてみてください。パートナーの方には、「見てほしい」という女性の気持ちをしっかり受け止めていただきたいと思います。

Q8  性の悩みの相談窓口があったら、教えてください。

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A まずは、病棟や外来の看護師・主治医など、信頼できる身近な医療スタッフに相談してみてください。看護師外来や助産師外来のように、通常の外来診察室よりゆっくり相談できる場所があれば、それもよいでしょう。性カウンセリング専門の窓口については、こちらを参照(→相談窓口)してください。
また、「性の悩み」は、多くの場合パートナーとの人間関係全般やお二人それぞれの心身のコンディションとも関連します。精神科医、心療内科医、心理カウンセラーに相談する方法もあります。院内や地元の「こころの専門家」については、医療スタッフに相談してください。また、各都道府県の臨床心理士会は、インターネットのホームページで地域の臨床心理士情報を提供しています。

監修: 国立がん研究センターがん対策情報センター がんサバイバーシップ支援研究部  高橋 都
国立病院機構 九州がんセンター 臨床研究センター  大野 真司・看護部