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乳房の形を整えるために

乳房切除術を行うことに決めた場合、あるいは乳房温存手術を行っても乳房の変形が大きい場合には、乳房の形を整えるために次のような方法があります。

乳房再建(にゅうぼうさいけん)

自分のからだの一部やバッグを使って、乳房の形を補う方法です

乳房再建には、自家筋皮弁移植じかきんひべんいしょくによる方法と、人工のシリコン入りバッグを挿入する方法、あるいは両者を併用したものとしてシリコン入りバッグを広背筋筋皮弁こうはいきんきんひべんで包んでしまう方法があります。自家筋皮弁による方法は、自分のからだの一部(背中か腹部)で筋皮弁きんひべんを作って、乳房の形を補う方法です。乳房の手術と同時に行う一期的いっきてき再建術と、乳房の手術をした後、一定の期間(通常2~3年)を経て行う二期的にきてき再建術があります。一期的再建術は、改めて手術を受ける煩わしさや、乳房を失うという不安を減らすことができますが、美容的には二期的再建の方が勝ります。筋皮弁で再建するのが難しい場合には、シリコン袋(ティッシュ・エキスパンダー)を手術で胸の中(大胸筋の裏側)に挿入し、術後に生理食塩水を徐々に加えて皮膚と筋肉を十分に拡張させ、最終的に新しいシリコン入りバッグに入れ替えて再建します。病気が進んでいる場合など、乳房再建を行わない方がよいこともありますので、希望される方は主治医とよく相談してください。

乳房再建の方法

自分のからだの一部やバッグを使って、乳房の形を補う方法

<方法>

移植した皮膚に十分な血液が流れるよう、筋肉の中を貫通する主要血管を保存した状態で、皮膚、脂肪、筋肉を一緒に胸に移動して固定します。最近は、筋皮弁の主要血管を切離して乳房付近の血管に吻合し、乳房を形成する方法が行われています。移植にどの部分を使うかは補充する組織の量や妊娠出産の希望等によって異なります。乳頭や乳輪は別の組織を使って作ります。

補整具・専用の下着

補整具・専用の下着 サンプル
補整具・専用の下着 サンプル

サイズや形、材質も豊富です

手術によって整形するのではなく乳房の欠損や変形を補うための人工乳房やパッド、専用の各種の下着が市販されています。人工乳房にはブラジャーの中に入れるタイプと胸にピッタリ貼り付けるタイプがあります。いずれも、サイズや形、材質も豊富で自分のからだにフィットしたものを選ぶことができます。また、襟や袖ぐりが浅く、傷跡きずあとをカバーできる専用の水着も市販されていますから、乳房の手術を受けた後でも水泳を楽しむことができます。詳しくは乳腺外来の係の人にお尋ねください。

また、どうしても気になる場合には、からだの線が目立たないゆったりしたデザインの洋服を選び、スカーフやペンダントなどアクセサリーを上手に使うと、手術したところを目立たなくすることができます。

監修:順天堂医院 乳腺センター 霞 富士雄