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乳房切除術

胸筋温存きょうきんおんぞん乳房切除術(乳房全摘術にゅうぼうぜんてきじゅつ

乳房は切除しますが、両胸筋を残すように手術します

この手術法は、わが国における乳がん手術の最も基本的な方法でしたが、2003年には乳房温存手術に主座を渡しました。現在は、乳がん手術全体のほぼ1/3に実施されています。乳房全部(皮膚を含む)を切除しますが、大胸筋や小胸筋を残して、センチネルリンパ節生検、あるいは必要に応じて腋窩リンパ節郭清を行います。

胸筋のうち、大胸筋のみを残す“Pateyペティー法”(鎖骨下リンパ節郭清も実施)、大胸筋と小胸筋をともに残す“Auchinclossオーチンクロス法”、“Kodamaコダマ法”などがあります。最近はPatey法やKodama法などは行われず、Auchincloss 法(原法より縮小)が標準的な術式となっています。略語でBt+SNB、Bt+Axなどと記されます

※ Bt:全乳房 / SNB:センチネルリンパ節生検 / Ax:腋窩郭清

長所

胸筋を残すため、胸筋を切除する手術(ハルステッド法)のように、手術した後にわきの下がへこむことがなく、皮膚に肋骨が浮き出ることもあまりありません。腕や肩の筋力低下や運動障害の程度も少なくなります。

短所

胸筋を切除する手術ほどではありませんが、腋窩リンパ節を郭清した場合は、腕のむくみを生じることがあります。腕や肩の運動障害を回復させるために、術後の十分なリハビリテーションが必要です(センチネルリンパ節生検で腋窩リンパ節郭清を省略できた場合は、このような障害が少なくなります)。また、胸筋への神経が保存されていないと、胸筋を残しても、後になって筋肉の萎縮が起こります。

胸筋温存乳房切除術

図:胸筋温存乳房切除術 図:胸筋温存乳房切除術

●SNB:センチネルリンパ節生検→参照

その他

全乳房切除術
全乳腺切除

非浸潤がん(乳管内がん)であっても乳管内に広範囲に拡がっている場合は全乳房切除(乳房のみを切除する手術)を行うのが基本です。また、乳頭・乳輪を残して全乳腺切除を行うこともあります。

監修:順天堂医院 乳腺センター 霞 富士雄