治療法を決めるときに
#検査・診断乳がんの治療法を話し合うときに、特に頭に入れておいて頂きたいのは、次の3つです。
- しこりの大きさと乳房内での拡がり具合
- リンパ節への転移状況
- 身体の他の臓器への転移の有無
触診、マンモグラフィや超音波検査、あるいはMRIやCT、骨シンチ、PETなどの画像診断で、この3つが判定されます。これらの所見や合併症の有無をもとに治療方針を検討することになります。
治療法を決めるときに
乳がんの進行度は大きく5つに分けられます
また、1~3を組み合わせて乳がんの進行度(臨床病期)が決められます。乳がんの進行度は下の表のように大きく病期0~4の5段階に分類され、病期の数値が増えるにしたがい予後が悪くなります。
早期乳がんは、極めて予後が良好です
しこりの大きさが2cm以下で、リンパ節や全身への転移がないものは早期乳がんと呼ばれ、極めて予後が良好です。中でも、病期0に分類される非浸潤がん(乳管内がん)、パジェット病はごく初期のもので、予後が最も良好です。
乳がんの進行度(臨床病期分類)
病期0 (ステージ 0) |
非浸潤がん:乳がんが発生した乳腺の中にとどまっているもの(パジェット病を含む) | ||
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病期1 (ステージ I) |
しこり2cm以下 | リンパ節に転移なし | |
病期2 (ステージ II) |
A | しこり2cm以下 | 腋窩リンパ節に転移あり |
しこり2.1~5cm | リンパ節に転移なし | ||
B | しこり2.1~5cm | 腋窩リンパ節に転移あり | |
しこり5.1cm以上 | リンパ節に転移なし | ||
病期3 (ステージ III) |
A | しこり5.1cm以上 | 腋窩リンパ節に転移あり |
しこりの大きさ 問わず |
腋窩リンパ節転移が強い、または腋窩リンパ節転移を認めず、胸骨傍リンパ節に転移あり | ||
B | 皮膚や胸壁に浸潤のあるもの | ||
C | 鎖骨下リンパ節や鎖骨上リンパ節に転移が拡がっているもの | ||
病期4 (ステージ IV) |
乳房から離れたところに転移しているもの |
腋窩(えきか)リンパ節:わきの下のリンパ節
【メモ】
臨床病期分類のことをTNM分類ともいいます。“T”はしこり【