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よくある質問

診断について ( 現在1件目から10件目まで表示しています [全件:15件] )

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Q01

日本人の乳がん罹患率・死亡率について

日本人で乳がんに罹っている人や乳がんで亡くなった人の割合はどれ位ですか。成人病や脳梗塞みたいに、乳がんの死亡率は高いですか? 年齢別に分けた統計表などで、乳がんにかかっている人や乳がんで亡くなった人はどれ位か教えてください。かなり発症率は高いのでしょうか。
A01
がん研究振興財団(http://www.fpcr.or.jp/)のがん統計より、わが国のがん罹患(新たにがんと診断されること)は、十数府県の地域がん登録で把握されたデータから全国値を推計しています。それによると、2003年に新たに診断されたがんは約64万2千例であり、男性が女性の約1.4倍です。部位別の罹患数は、男性では胃が最も多くがん罹患全体の20%を占め、次いで肺(15%)、前立腺(11%)、結腸(10%;直腸と合わせた大腸は15%で2位)、肝臓(8%)の順、 女性では、乳房【毎年新たに約4万人が罹患】が最も多く17%、次いで、胃(14%)、結腸(11%;直腸と合わせた大腸は16%で2位)、子宮(9%)、肺(9%)の順となっています。
2005年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)で32万5885人(1981年以降死因順位第1位:全死亡者に占める割合は30.1%)、死亡率(人口10万人当たり何人死亡するか)258.2、第2位は心疾患(心臓病)17万3026人、137.1、第3位は脳血管疾患(脳卒中)13万2799人、105.2となっています。
2007年のがん死亡率は、男性で約330、女性では約207です。多くの部位で男性が女性より死亡率が高く、特に、口腔・咽頭、食道、肝臓、喉頭、肺、膀胱、腎臓では男性の死亡率が女性の2倍以上です。一方、胆のう・胆管と甲状腺では女性が男性より死亡率が高くなっています。部位別死亡率では、男性は肺【約4万5千人】、胃、肝臓、結腸、膵臓の順に高く、女性は肺、胃、結腸、膵臓、乳房【毎年約1万1千人が死亡】の順に高くなっています(結腸と直腸を合わせた大腸は男性3位、女性1位【約1万9千人】)。女性の乳がんの罹患率は1位ですが、死亡率は5位です。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科中村吉昭先生 大野真司先生)
Q02

乳がんの検査と診断について

マンモグラフィや2度の生検で良性であったにもかかわらず、組織の並びが おかしいとのことで3度目の検査を行いました。悪性と診断されることはあるのでしょうか?
A02
2度の生検で悪性を疑う部分の範囲が狭かったり、良悪性の境界病変で判断が難しかった場合など、3度目の検査でようやく悪性と判断されることがあります。 担当医にその経過をよく尋ね確認してみてください。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 中村吉昭先生/大野真司先生)
Q03

乳がんの良性と悪性について

良性と悪性が同時に発生することはありますか?
A03
良性の「のう胞」や「線維腺腫」などがある人でも他の部位に悪性の乳がんが発生することはあります。乳がんにかかりやすいリスク因子のなかに、良性乳腺疾患の既往があります。定期検査を受けられることが大切です。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 中村吉昭先生/大野真司先生)
Q04

年齢と乳がんについて

子供でも乳がんになる事もあるんですか?
A04
日本乳癌学会の報告では、日本の最年少は16歳で乳がんを発症した女性がいます。欧米の報告では11歳が最年少です。 乳腺が発育し、初潮を迎えた人であれば、乳がんにかかる可能性はゼロではありませんが、10代前半の小・中学生では「しこり」があっても乳がんであることは極めてまれと考えられます。気になる症状があれば乳腺専門医に受診することをおすすめします。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科  中村吉昭先生/大野真司先生)
Q05

乳がんと痛みについて

一か月前位から筋肉痛みたいな痛みが両方の乳房にあります。乳がんに痛みはありますか?
A05
まれな場合ですが炎症性乳がんでは、乳房全体が赤く腫れ、熱感と痛みを伴うことがあります。しかしほとんどの場合、乳がん自体の症状として痛みはありません。乳がんが進行してかなり大きなしこりになっても痛みを感じないことがほとんどです。ただし、乳がんが見つかった方々の中には痛みで病院を受診したという方も少なくないので、気になる際は専門病院を受診されたら良いでしょう。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科  中村吉昭先生/大野真司先生)
Q06

10-20代の乳がんと50代の乳がんの違い

10代、20代の乳がんは、50代の乳がんとどのように違うのでしょうか? それとも同じなのでしょうか?
A06
一般的に35歳よりも若い年齢で発症した乳がんを若年性乳がんと呼んでいます。生物学的特徴として、年齢が若い場合には、50代の乳がんと比べてHER2陽性のタイプや、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PgR)もHER2もないトリプルネガティブのタイプが多いこと、ER陽性が少ないという報告があります。かつては若年性では乳がんの進行が早いと言われていましたが、乳がんの進行と年齢は直接関係しないとの報告が出て来ています。ザンクトガレン乳がん国際会議という乳がん専門医の集まりでの合意事項として、以前は「年齢35歳未満」は再発リスク因子のひとつとされていましたが、2009年の会議で再発リスク因子から年齢が削除されました。最近では年齢を特別な要素とせずに、腫瘍の特徴から有効と考えられる化学療法やホルモン療法をすることが重要です。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 中村吉昭先生 大野真司先生)
Q07

10代(高校生)乳がん発症確率

10代(高校生)で乳がんを発症する確率はどれくらいでしょうか?
A07
日本乳癌学会の全国乳がん患者登録調査報告の2006年次症例によると、全発症例20,412人のうち、19歳以下であったのは3人でした。(高校生のデータはありません。)最も多いのは55-59歳で3,154人です。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 中村吉昭先生 大野真司先生)
Q08

リンパへ管への転移

「リンパ節に転移は無し」でしたが「リンパ管に転移有り」と言われました。違いを教えて下さい。
A08
「リンパ管に転移あり」は医学的には「リンパ管侵襲(浸潤)あり」と考えます。病理検査で乳房内病巣のがんの広がりを調べた際に、がん周囲のリンパ管内にがん細胞が認められ、リンパ節にはがん細胞が認められなかった場合を「リンパ節に転移はないが、リンパ管に侵襲(浸潤)がある」と言います。
 リンパ管や血管は「脈管」と呼ばれ、それらにがん細胞が認められることを「脈管侵襲(浸潤)がある」と言います。乳がんはリンパ管を通ってリンパ節に転移するので、この「脈管侵襲(浸潤)がある」場合は、リンパ節転移がある状態と同様に転移・再発する危険性が高いと考えられ、以降の治療方針を決定する際に参考にされます。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター乳腺科 中村吉昭先生/大野真司先生)
Q09

HER2とは?

病理検査報告にHER2という項目がありました。陰性、陽性+1、+2、+3の表す意味を教えてください。
A09
HER2は「ヒト上皮細胞増殖因子2型」というがん遺伝子で、細胞の増殖に関わっています。乳がん患者さんの15~30%で、乳がん細胞のHER2遺伝子の数が増えていたり、HER2タンパクというタンパク質が過剰に発現したりしています。
 そのため病理検査では、このHER2タンパクが発現しているかどうかを「免疫組織化学染色法(以下、IHC法)」という方法で判定しています。IHC法では、陰性、陽性+1(弱陽性)、+2(疑陽性)、+3(陽性)の4段階で結果を出します。つまり、陰性ではHER2タンパクが発現しておらず、+1、+2、+3の順に多く発現しているということになります。ちなみにIHC法で陽性+2の場合は、HER2遺伝子の数が増えているかどうかも調べるためFISH法という方法でも判定します。(HER2遺伝子が多く増えていれば「陽性」、あまり増えていなければ「陰性」となります。)
 こうしてIHC法で「+3」、またはFISH法で「陽性」という結果が出た場合を「HER2陽性」といい、分子標的治療薬であるトラスツズマブという薬の効果が期待できます。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター乳腺科 中村吉昭先生/大野真司先生)
Q10

石灰化とは?

石灰化とはどういうことですか?
A10
石灰化とは、カルシウムの集まりです。貝殻を小さく砕いたようなもので、マンモグラフィなどのレントゲン写真では白く写ります。年齢と共にできてくること(40~50歳代でよく見られる乳腺症など)も、良性の腫瘍でできることも、悪性の腫瘍(乳がん)でできることもあります。石灰化があってもそれが良性と診断された場合は、まずは安心して、その後の定期検査を受けるだけで十分かと思われます。
(回答者:国立病院機構九州がんセンター乳腺科 中村吉昭先生/大野真司先生)
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